花まる農家の紹介
花まる項目の概要
農村の伝統文化を復活し、生活に活かしている
お祭り、伝統芸能、伝統食、竹・藁細工、農村景観、じっちゃんばっちゃんの知恵の継承など子どもたちを育てている
ザリガニ釣り、虫取りなどを楽しめる空間、生きもののことを教えるなど周辺環境への配慮
自然エネルギー利用、除草剤を使わない畦の手入れ、谷津田の復活、水の浄化など生きものや水質などの環境調査活動
生きもの調査、水質調査などいのちあふれるすばらしい田んぼ
イトミミズ、ユスリカ、絶滅危惧種の動植物、鳥、通年ビオトープ、農薬や化学肥料を使わないなど消費者を大切にする
消費者への田んぼの情報提供、産直活動、イベントの開催など生きものを大切にする
冬・水・田んぼ、耕さないことで小さないのちを支える、生きものの通り道をつくるなど- ▶ 栃木県大田原の水口さん
- ▶ 福島県郡山の中村さん
- ▶ 新潟県佐渡市の井川さん
- ▶ 岩手県江刺市の伊藤さん
- ▶ 千葉県佐原市の椿さん
「田んぼ組」が応援する農家のことを「花まる農家」と呼びます。今年、メダカのがっこうで応援する花まる農家は5件。栃木県大田原の水口さん、福島県郡山市の中村さん、新潟県佐渡市の井川さん、岩手県江刺市の伊藤さん、千葉県佐原市の椿さんです。いのちあふれるすばらしい田んぼをつくっているのはもちろん、左にあげたたくさんの項目に「花まる」がつく、すばらしい農家ばかりです!あなたはどの花まる農家を応援しますか?

メダカのがっこうが応援する花まる農家
栃木県大田原の水口さん
メダカのがっこうが目指している環境を取り戻す田んぼづくりの考え方に賛成なので、田んぼ組に入りました。これから生きもの観察や調査をしながら、今まで気がつかなかった生きものたちの営み、命のつながりなど、自然体験できると思うと楽しみです。
親の代から微生物の働きを活かす土づくりで無農薬栽培をしているという、筋金入りの花まる農家で、メダカのがっこうが目指している日本の自然再生に貢献する田んぼを本当に良く理解して下さっています。花まる農家の中でもいちばん大面積の「ありがとう田んぼ」を手がけてくださっています。そして、最近、息子さんの雅彦さんも、伊豆で冬・水・田んぼを始められました。いのちを活かしたお米づくりもなんと3代目いう、頼もしい水口さんご一家です。
地力がつけば、困るほどの草は生えない
雑草を「神草」と呼び、草・虫・菌類と人とが共生する循環農法を提唱している赤峰勝人さんをとても尊敬していて「草が困るくらいに生える場所は何らかの問題があるんですよ。自然には不思議な力があります。家はずっと無農薬で土づくりをしてきたから、もう邪魔になるような草は生えません」というのが水口さんの持論で、田の草フォーラムでもご自身の経験を細かに語ってくれます。野菜づくりの名人でもあり、特に「水口さんのニンジン」は自然な甘さで人気。おむすび茶屋のお惣菜にも欠かせない素材です。
美しく広がる冬・水・田んぼ

冬・水・田んぼが草を抑え、地力を保つことが分かってからは、4 町5反という広大な田いっぱいに水を張っています。空が映り込んで美しい風景です。これだけ広がっていると、ちょっとした湖のようですね。
| 氏名 | 水口博 | 先代から微生物たちの働きを活かす土づくりをしてきた上に、博さんの代で投入してきた自家製堆肥と海底のミネラルが美味しいお米を育ててくれています。堆肥置き場には湯気が上がり、米糠、くず大豆、おからなどの有機物が、自家培養の菌とミネラルでバランスよく醗酵しています。 |
| 住所 | 栃木県大田原市荻野目358 | |
| 農法 | 不耕起、冬・水・田んぼ | |
| 品種 | コシヒカリ(自家採種) | |
| 農薬/種の消毒 | 不使用 | |
| 肥料 | 米ぬか、くず大豆、おから原料の自家製堆肥、海底隆起古代海藻魚介ミネラル、液化ミネラル、微生物酵素2種(きのこ抽出と稲抽出) |

メダカのがっこうが応援する花まる農家
福島県郡山の中村さん
「メダカのがっこう」の田んぼ組で、水や生きものたちのことを考えながらのコメづくりを頑張っています。2月でも凍った田んぼの下にイトミミズやユスリカがいるので、びっくりしました。生きものにとっても「ありがとう田んぼ」ですね。
「俺だけ見ても、かーちゃんが見ねければだめだべな。細かいところまで気が付くから」と、新聞に小さく載った情報を頼りに二人で不耕起栽培の田んぼを見に来られたのは、10年ほど前のこと。いつも明るくて若々しい奥様と行動はいっしょ。でも牛を飼っているので、いつも日帰り。その責任感と愛情にはいつも感心させられします。
冬の田んぼに水を張ったら白鳥が来た

「環境なんて、全然考えていなかった。ただ冬の田んぼに水を張ると雑草が生えない、と聞いて、抑草のために始めたら意外や意外、白鳥が来て、びっくりしたよ」と話すご主人。「劇場に行かなくたって白鳥の湖が見られるだよ」とニコニコ顔で奥さんが言うと、「白鳥の湖?これは白鳥の田んぼだべ、ワハハ」と和夫さん。
白鳥が来るようになってからは、強風が吹く冬の間も田んぼに行くようになり、毎日、「雁を保護する会」の調査に協力して白鳥をカウントしています。道のすぐ横の田んぼいうのに、ちっとも逃げない白鳥たち。トラックの運ちゃんもスピードを緩めて目を楽しませ、近所のおじいちゃんやおばあちゃんは孫を連れて見に来るという、地域のちょっとした名所になっています。
中村さんの奥さんは白鳥を上手く撮れるようになりたくて、写真教室に通い始めまいました。年々、白鳥への愛着が強くなってきていて、最近では春先の白鳥との別れの時期には涙が出て来てしまうのだそうです。
地域の自然体験学習の中心に
耕さない冬・水・田んぼを始めた近くの農家と共同で、直売所も始めました。夏は小学校の体験学習に協力したり、ホタルの頃にはコンサートを開いたり、地域活動に熱心な中村さん。2003年には「おおせメダカクラブ」をたちあげ、2004年には「逢瀬いなか体験交流協議会」を地域の商工会の皆さんと一緒に始めました。
| 氏名 | 中村和夫 | 重粘土質の土壌に恵まれ、しっかりとした味と香りがあって、とても美味しいおコメができます。シベリアから越冬に訪れる白鳥の糞も土づくりに一役かっています。山からの冷たい水が田んぼ横の水路をとうとうと流れ、収量も自然の量です。 |
| 住所 | 福島県郡山市逢瀬町多田野字本郷102 | |
| 農法 | 不耕起、冬・水・田んぼ | |
| 品種 | コシヒカリ(自家採種) | |
| 農薬/種の消毒 | 不使用/種の消毒なし | |
| 肥料 | 米ぬか、カキガラ |

メダカのがっこうが応援する花まる農家
新潟県佐渡市の井川さん
佐渡に住む者として、トキの野生化を軸に農業や生き方の方向を変える時期が来たと思い、田んぼ組に入りました。
田んぼの彼方にそびえる金北山を見ながら、生きものと一緒に自然の美しさを楽しみたいと思っています。
トキ保護センターのすぐ近くなので、トキを見た帰りに田んぼを見に寄ってくれると嬉しいね。
研究熱心な井川さんは、10日ごとにイネの押し花をとって、不耕起栽培のイネの一生を追っています。7月初め頃から急に分けつを始め、みるみる立派に育っていく様子が楽しくて、比べなくてもいいと分かっていても、隣の慣行農法の田んぼと見比べては、ホクホクして家に帰るのだそうです。
「トキの田んぼを守る会」の立ち上げメンバー
「トキの田んぼを守る会」のメンバー。前列中央が井川さん。2001年、佐渡では「メダカのがっこう」トキ野生化支援プロジェクトの呼びかけで7人の農家が不耕起栽培という未知の世界に挑戦をし、「トキの田んぼを守る会」を結成しました。井川さんははその第一期生の一人。
以前から環境に配慮した合鴨農法を続けていましたが、土地柄、イタチやタヌキに食べられて困っていた時に、不耕起栽培の呼びかけを受け、即、切り替えました。佐渡は豊かな自然とともに、伝統芸能が盛んなところですが、井川さんは、地域の活動にも積極的に参加して、自然と伝統文化を守っています。
自慢の奥様は食と健康の研究家
金北山を望む井川さんの冬・水・田んぼ奥様は、30年以上前から佐渡で無農薬有機栽培の流れをつくってきた「自然食研究会」の浅井まり子さんの片腕となって、地元の健康教室などで全島の食事指導をしてきました。妻が前に出ない佐渡の風習の中で、勇気を出して活動しているすばらしい方です。
| 氏名 | 井川浩一 | 佐渡の土はミネラル豊富な粘土質で、おコメづくりのための土のよう。新潟の魚沼産といつも同じランクに位置づけられる地域です。その上に冬・水をすると、コメが大粒になり味もいっそう濃くなります。このおコメは、本間元・新穂村村長によって「トキひかり」と命名され、トキ自然復帰への希望となっています。 |
| 住所 | 新潟県佐渡市旭914 | |
| 農法 | 不耕起、冬・水・田んぼ | |
| 品種 | コシヒカリ(自家採種) | |
| 農薬 | 不使用 | |
| 肥料 | 米ぬか、くず大豆 |

メダカのがっこうが応援する花まる農家
岩手県江刺市の伊藤さん
この数十年、米が安くなったけれど、私は米を高く売ろうとか、たくさん穫ろうとか思わないで、経費を減らそうと思ったの。
で、農薬を減らしていったら、生きものを見る楽しみが増えた。毎日いろいろな発見があって、とっても楽しいよ!暇さえあれば、カメラを持って田んぼや山に行くようになった伊藤さん。「こんなところにモウセンゴケが、トキソウが・・・」と地域での珍しい発見もあり、今では博物館からも頼りにされる存在になっています。
農薬を減らしたら、生きものが見えて来た
「伊藤さんの農法は何?有機栽培?不耕起栽培?」と聞くと、「伊藤流」という答えが返ってきました。「この数十年、米が安くなったけれど、私は米を高く売ろうとか、たくさん穫ろうとか思わないで、経費を減らそうと思ったの。で、まず、農薬を減らした」。その結果、生きものを見る楽しみも増え,耕さない・冬・水田んぼにしてからはその楽しみが一層深まっていったのだそうです。
いつも田んぼにいる伊藤さんだから撮れる名場面!

1年365日、朝から晩まで田んぼを見ている伊藤さんが、カメラに凝っているのですから、普通ならほとんど出会うことができない貴重な場面の写真が撮れます。この穂が出る前の田んぼ一面に張られたクモの巣が、朝露に光っている写真は伊藤さんの傑作のひとつ。メダカのがっこうの機関誌の表紙をも飾りました。(表紙を飾った写真はこちら)
食味コンクールで特別優秀賞
メダカのがっこうのメンバーに稲刈り後の棒かけを指導してくださった伊藤さん伊藤さんの田んぼは、昭和40年開田以来、水は共同管理。不耕起栽培はできても、冬期湛水は4月まで水がこないためできません。それでも諦めず彼は、昨年雪解けの頃から、できる限り天水を溜め湛水田にして米を作り、「弥生3月湛水田」と命名して、全国米・食味分析鑑定コンクールに出しました。すると出展1100点の中で上位15位に入り、特別優秀賞になりました。
| 氏名 | 伊藤茂 | 伊藤さんは棚田一枚ごとにいろいろな品種の米を栽培し、山間地農業の楽しみを極めています。私たちが訪れた12月末、雪の田んぼには、10アール当たり4200万匹のイトミミズがいました。 |
| 住所 | 岩手県江刺市玉里字94-19 | |
| 農法 | 不耕起、冬・水・田んぼ | |
| 品種 | ひとめぼれ(自家採種) | |
| 農薬/種の消毒 | 不使用/種消毒は塩水で | |
| 肥料 | 米ぬか |

メダカのがっこうが応援する花まる農家
千葉県佐原市の椿さん
10数年前から不耕起栽培のすばらしさにほれこんで、さまざまな問題も「オレ流」で解決しながら、やってきました。
メダカのがっこうの田んぼ体験で小学生とワラでつくった案山子に顔をかいたり、楽しい毎日です。
椿さんは「工夫の人」。不耕起栽培の基本だけを学ぶと、その後は起きて来る問題を自分なりに乗り越えていって椿さん独特の農法を編み出し、平成16年度の「日本の水田を守る会」のお米食味コンクールでは、見事に優勝しました。
遊びならなんでもござれ!の椿さん、お料理名人のかつ子さん
椿さんは、お米づくりのほかにも、今では貴重なムシロを編む技術ももち、どじょうやフナを捕まえるのも上手、と遊ぶことにかけては何でもござれ!の人です。その好奇心の旺盛さが、お米づくりの腕をあげることにつながっているのでしょう。また、椿さんちの田んぼイベントでは、奥様お手製のおにぎり、豚汁、漬け物がでます。奥様は若杉さんの野草料理でご主人の糖尿病や腰痛を直したほどの、料理の達人。とっても明るい方です。
指導者としてもピカいち!
慶応の幼稚舎の小学生に稲の成長について熱く語る椿さん。メダカのがっこうの関係者でお米づくりをしたい!という女性の熱意に応えて、椿さんがお米づくりの個人指導をしてくれました。すると、まったくの素人の彼女が無農薬・無化学肥料で1反あたり10俵収穫をあげることができました。その後彼女は地元の農家に嫁ぎましたが、嫁ぎ先や親戚の農家もみんなびっくりしたそうです。これも、椿さんの栽培技術の確かさと教え方のすばらしさのおかげです。田んぼ体験に来ている慶応義塾幼稚舎の先生も「椿さんはほんとうの科学者です。こどもたちが椿さんと出会えてよかった!」とベタ惚れです。
| 氏名 | 椿任功・かつ子 | 田んぼの表面だけを浅くかく「半不耕起」ですが、そのことがイネの野生化妨げていません。苗床には山土、もみがら燻炭、海のミネラルを混ぜたものを使っています。田植直後の米ぬかと深水による田の草対策も、とてもうまくいっています。 |
| 住所 | 千葉県香取市堀之内2026 | |
| 農法 | 半不耕起、冬・水・田んぼ | |
| 品種 | コシヒカリ(自家採種) | |
| 農薬/種の消毒 | 不使用/種消毒は温湯で | |
| 肥料 | 米ぬか、モミガラ粉末、クズ大豆 |
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